コストパフォーマンスに優れたプロラインのカーボンブーム
サイズによって変わる2つのブームカーブ
圧倒的なコストパフォーマンスで支持されるプロラインのカーボンブームは、従来から好評のワイドカーブに加え、今期からスタンダードカーブが加わり、サイズにより異なる2種類のブームカーブが採用された。
フロントワイドカーブは、よりマストが立てやすくアンダーになっても走り続けたいセイラーにむいている。マストが立つことによって、自然にセイルを引き込むことができ、より効率的に風を受けることができるためアンダーコンディションにおいても艇速を維持しやすくなるのだ。ウェイブではスモールサイズのセイルをチョイスして、ジャスト〜アンダーコンディションでのセイリングが多いため、フロントワイドの方が走らせやすく、さらにアクションにもメリットが多いため短めのブームには、フロントワイドカーブが採用されている。
一方、レースではビッグサイズのセイルを使い、ややオーバーコンディションでスピードを求めるため、フロントワイドではコントロールがシビアになってしまうことがある。特にオーバーコンディションにおいてマストが立ちすぎてしまい、引き込みも強まるため急なブローへの対応が困難になるなどリスクを伴うのだ。このため、長めのブームにはスタンダードカーブが採用された。
いずれのタイプも、石井・本橋・鎌田・大坪といった日本を代表するプロライダーたちによる実践からのフィードバックを経て改良を重ね開発されている。このため、低価格を維持しながら、ブームカーブはもちろん、日本人の手にもっともなじむ径の採用や、アダプタなしてSDMとRDMに対応するブームジョー・インやダブルピンロックシステムなど随所にこだわりと高い機能性を持ったブームに仕上がっている。
IMPRESSION / チームライダー大坪大輔(J-117)に聞く
スタンダードカーブをチョイスしてジャパンサーキットはもちろんワールドカップにも積極的に参戦する大坪プロにプロラインブームの特徴を聞いた。
「他のブームよりちょっとたわむ感じはありますが、レーで使用してもまったく問題ありません。むしろ硬すぎるブームはブローが入ったときの反応がダイレクトすぎるので、それに比べると余裕が生まれるのでかえって乗りやすく感じます。このフィーリングは一般のセイラーにも大きなメリットとなるはずです」
●ナローカーブをチョイスしたのは?
「はっきり言って好みです。ただレースではできるだけ大きなセイルをチョイスするので、オーバーセイルを余儀なくされます。そのときにフロントワイドだとマストが立ちすぎて、自動的に引き込まれてしまう感覚があるので、不意のブローでパワーを逃がしたいときなどにコントロールが難しく、レースでは使いにくいですね。それからスタンダードカーブはフロントワイドに比べて、セイルのドラフト位置を調節しやすいと思います」
●おすすめのポイントは?
「僕の使っているスタンダードカーブは、セイルの近くに乗れるためコントロールしやすく、またグリップ径も細いので、女性ユーザーからも好評です。それに何より安い!」
大坪大輔 J-117
2008年アマチュアスラローム選手権での優勝機にプロとしての活動を開始し、ジャパンサーキットはもちろんワールドカップにも積極的に参戦。チームWIMの一員としてRRD、プロラインブーム・ジョイントのテスト・開発を行う。