勝つことだけを意識したレーシングマシン
フィニアン・メイナードの活躍を支えるX-FIREが、実践からのフィードバックを元にリニューアル
RRDは昨年、PWAのスラロームシーンにX-FIREを投入。フィニアン・メイナードが駆り年間ランキング2位とポテンシャルの高さを示した。そのX-FIREのニューモデルは昨年のうちにラインナップされるサイズと、その中から112のみ先行して発表され期待が高まっていたが、ついに全てのラインナップが揃った。フィニアンを中心ととしたR&Dチームによる実践からのフィードバックによりアウトラインやボリュームバランスに改良を加え、さらに高い戦闘力を持つボードとして登場だ。
X-FIREが90、105、120の3サイズだったのに比べX-FIRE Ltd V2は80、90、102、112、122、135の6サイズにラインナップを増やし、あらゆる風域に対応するようになった。最新のレースシーンにおいて勝つことだけを意識した最強のレーシングマシンだ。
IMPRESSION / J117 大坪大輔
●X-FIREの特徴を教えてください。
一番の特徴はオーバーセイル下の極限状態でもセイルを引き込むのが怖くないということです。ノーズが浮きすぎること無く、めくれることも無いのでオーバーセイルで楽に感じるんです。それでいて、アンダーセイルが弱いわけではありません。むしろ乗った感じはボリュームの数値よりも大きく感じで、浮きが強いのでむしろアンダーで良く走ります。それでいて吹いたら小さく感じてオーバーボリュームになりにくい、そんなボードです。
●チューニングする上での注意点は?
ジョイントボックスのアジャスト域がやや長めです。その中でもポジションは少し前よりにセットすることをお勧めします。真ん中より後ろにするとノーズが浮きすぎてスピードがのびません。
●ジャイブは?
ターンの入りで強めのプレッシャーをかけるようにした方がいいです。ターンに入ってしまえば、しぼられたテールの効果で実にスムーズに回ってくれます。コントロールが利くので実践向きですね。
●オススメのポイントは?
昨年モデル同様、初速からトップスピードまで爆発的な加速を持つ一方でコントロール性が高いので、特にチョッピーな海面で乗ってもらえれば、乗り手に優しく、乗りやすいからこそ速いを実感してもらえると思います。
一つのボードがカバーする風域が広いので、最小限のラインナップでレースに臨めることは選手にとって大きなメリットですが、一般のセイラーにとってもいいと思います。レースセイル以外のフリーライド系セイルにも対応できますし、乗りやすくて速いボードをぜひたくさんの人に味わって欲しいと思います。
大坪大輔 J-117
2008年アマチュアスラローム選手権での優勝機にプロとしての活動を開始し、ジャパンサーキットはもちろんワールドカップにも積極的に参戦。チームWIMの一員としてRRD、プロラインブーム・ジョイントのテスト・開発を行う。