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  • 特集『速報!!BESS東海 伊豆ウェイブセッション2009』

日本随一のレフトのコンテスト。豪雨の中のセッションを征したのは石原智央だ!

 日本随一のポートサイドでのコンテスト「BESS東海・伊豆ウェイブセッション2009」が今年も開催された。コンディションを優先し、それが整う日に開催するという形式のこの大会。今年は10月26日、台風20号が接近する中、全国からプロ8名を含む合計26名レフトの猛者たちが伊豆・白浜海岸に集結した。

台風に刺激された秋雨前線によって、当日は横殴りの豪雨だったが、風は北東、セイルエリアは4.0〜5.0、波はアタマからセットでダブル近いサイズというハードコンディションがキマった。

海上となる海面は、どうしてもインサイドがガスティになり、波も大きいため、ゲティングアウトがかなり困難な状況。風が弱い時にショアブレイクやセットに捕まると、まず巻かれてしまい、かなり下に流されてしまう。運も味方につけ、スムーズなゲティングアウトと、セットを上手くつかむことが勝ち上がっていくポイントとなった。

1ヒートは10分、ファクターはウェイブのみの2ピックアップ、シングルイリミネーションのスタートホーンが午前9時半過ぎに鳴った。



 ベスト8に残ったのは、柳沢利彦、池田良隆、石原智央、桑谷耕作、野口貴史のプロ5名に加え、大西昭雄、森田勇人、湯元辰夫のアマチュア3名が進出を果たすという波乱の展開となった。
昨年2位の石原と優勝者野口はアマチュアの強豪を順当に敗りセミファイナルに進出を決めたが、昨年3位の柳沢は池田とのプロ同士の対決となり激戦となったが、ここ白浜をホームの一つとする柳沢が優勢にヒートを進め、セミファイナルの切符を手に入れた。残る一つの席は地元の「ホテル聚落」を営む森田(勇)が桑谷を敗る殊勲の勝利をあげ、アマチュアとしてただ一人セミファイナル進出を果たしたのだった。

マンオンマンで行われるセミファイナルが今大会のハイライト。ヒートは柳沢対石原、森田対野口である。事実上の決勝戦とも言える柳沢対石原の対決は、昨年精神的に少し隙を作った柳沢がミスを犯して石原に敗れてしまった因縁を持つが、今年も似たような展開となる。パフォーマンス的には両者とも遜色ないものを持つが、波のセレクトで少しセットを深追いしすぎた柳沢が途中で痛恨の沈をし、手堅い波でパフォーマンスを積み重ねた石原に軍配が上がった。
もう一方の森田対野口の対戦は、さすがに昨年の優勝者だけあり、確実にポイントを重ねた野口が唯一のアマチュア森田に勝利し、決勝に駒を進めた。森田の決勝進出は残念ながら幻と終わった。
この頃から土砂降りだった雨がほとんど止んできたが、同時に風の方も急激に落ちてきた。長いのウェイティングのあと、再び北東風が上がり出した。接近してきた台風の影響が現れてきたようだった。

石原:昨年ファイナルで敗れた石原智央が、今年は雪辱を果たし、ポートの王者の称号を手に入れた。野口:昨年優勝を果たした野口貴史は今年も連覇を狙ったが、決勝で石原の前に涙を呑んだ。トシ:この大会のディレクターでもある柳沢利彦。今年は第2回ということもあって真剣に優勝を狙っていったが、準決勝で昨年同様石原に敗れて同じく3位に終わった。聚落:ただ一人、アマチュアから4位入賞という大殊勲を成し遂げた森田勇人。地元白浜ローカルの底力を見事に示した。

 ファイナルは去年と同様に野口貴史と石原智央の対決。ヒート時間は12分に延長。何本も楽に波に当たり、コンスタントに乗ることも難しい海面にもかかわらず、さすがベテラン石原は、ヒート前半から確実にライディングを重ねてプレッシャーをかけていく。野口もそれに応じるが差を付けられるようなライディングはできず、少し追いつめられていく。ヒート後半に入った頃にいいセットが入ってきた。野口はもちろんそれを狙った。そしてクリティカルセクションを果敢に攻め、エアをかけようとチャレンジ。決まれば完全に逆転し優勢になるはずだったが、一歩及ばずに惜しくも失敗。普通は大きなセットに飲み込まれてしまうと、そのリカバリーに手間取り、大きく時間をロスすることが常だが、このときはわりと早く復活し、再び戦いに入ることができた。しかしその間も石原は確実にポイントを積み重ね、野口も小さめながらもエアーを仕掛けたりしたが逆転することはできず、石原が見事に昨年の雪辱を果たすことに成功。野口の2連覇はならなかった。3位は昨年同様柳沢、アマチュアの森田が、4位という大健闘を見せて、「BESS東海伊豆ウェイブセッション2009」は終了した。

なお、正式なリザルトは、大会ホームページhttp://www.izuwindsurfing.net/まで。
また、大会映像はもうしばらくお待ちください。

優勝は石原選手