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  • EQ FANATIC 2011 QUAD TE vol.2

シングルのコントロール性とツインのマニューバ性の両立

クアッドはビギナーや普通のウェイバーの上達を約束するマジックボードだ

  <vol.1より続く
 ファナティックチーム全員がクアッドを気に入りました。この新しいコンセプトの長所と短所をシングルやツインフィンと比較してチームメンバーに語ってもらった。

◎クラース・ボゲット「最初にクアッドに乗ったとき、シングルフィンとツインフィンの良い所を組み合わせたようだと思いました。ツインフィンの特長はとてもルーズでスライドするような感じがし、スナップを利かせてターンできます。一方シングルフィンはドライブがあり、スピードをつけたフルレイルのボトムターンができます。クアッドはフィンが短いので、ツインフィンのようにテイルをずらして波のトップからスライドするようなライディングができながらも、同時にフィンが水面に触るとコントロール性とグリップ力を取り戻します。ツインではテイルをスライドした後、十分なコントロール性能を保つのは難しいです。まさにクアッドはシングルフィンとツインフィンの良いところどりをしているのです。十分にコントロールしながらドライブしてレイルを入れたボトムターンをしながらも、トップでツインフィンのようなスナップを聞かせたターンができます。これが僕の一番驚いた点です。以前はシングルにするかツインにするか、いつも迷っていました。今までは特に波が大きいときや、チョッピーな波のときは、ドライブ感とスピードが好きでシングルを使うことが多かったのです。でも今クアッドを手に入れ、両方が叶うようになりました。ケープタウンではダブルマストの波でクアッドに乗りました。そういったコンディションでは去年まではシングルを持ち出していたし、ツインを使ったら飛ばされたりコントロール不能になったりしていたのです。クアッドなら十分なグリップとコントロール性能を得られます。シングルフィンと比較してクアッドのボトムターンで感じるのは、フロントフィンが良くグリップしているという点です。クアッドで前傾してレイルを押すと、何かが身体を引き上げ、海から引き上げてくれるような感覚があります。これがボトムターンから抜けるときの加速につながり、スピードを保ってトップターンへと導いてくれます。とても良い感覚です。レイルを入れるとトップターンでも同じような感覚を味わえます。身体にパワーが働き、それはツインフィンの、波からスライドして離れてしまう安心できない感覚とは違うものです」
◎ブラウジーニョ「ハワイで多くの時間乗り込んだ後で気がついたのは、あまりに多くの局面を持つボードだということでした。クアッドはターンの時にとてもスピードが出ますが、今まで僕が味わったことがないほどライディングが上達します。どんなターンのときでもコントロールができるのです。ホワイトウォーターに当ててテイルをリリースするのが楽で、普通のトップターンでもボードがグリップするので、ミスの危険性が減り、タカやバックサイド360、360、ゴイターのようなニュースクール系のムーブも簡単にできます。僕にとって、シングルフィンのコントロール性能とツインフィンのマニューバビリティを兼ね備えているボードなので。完璧な組み合わせ!と言えます」

◎クレイグ・ガーテンバッハ(ブランドマネージャー)「シングルフィンでスプレーを飛ばそうとすれば、波の最も深く完璧な部分に入り込まなければならず、それはリスクを伴います。私がクアッドに乗り、自分のスプレーを見て、シングルフィンのスプレーよりずいぶんと量が多いことに気がつきました。レイルがとてもグリップし、スプレーを上げています。波のパワーがあまりないときでも同じです。違いは顕著です。私はこのボードが多くのウェイバーのウェイブライディングの上達に役立つと確信します。コアなウェイバーでジャンプもできる人は、スピードの点でシングルにこだわりがあるかもしれませんが、いろいろな波のコンディションで海に出て、上達したいと思うのであれば、クアッドがお勧めです。ターンが短くなるので、セイルを気にすることなくセイリングできます。シングルフィンでは十分なパワーを得るためセイルに気を遣い、波に完璧なタイミングで入っていかなければなりません。クアッドとツインザーは独自のドライブとスピードを持っているので、セイルパワーを多く必要としません。それにトップから下りる時にグリップがあるので、平均的なウェイバーにはツインザーよりクアッドの方が良いと思います。ほとんどのウェイバーは波との正しいタイミングを掴めませんが、クアッドならばそれほど精密でなくても大丈夫です。タイミングが遅くても早くてもオフザリップでき、それをコントロールできるのです。シングルフィンで同じことをしようとした場合、長くボトムターンをしてセイルを正しい位置に待たなければなりません。スピードを保つため、セイルをいつ開くか、タイミングを知る必要があるのに、シングルでは波が大きくない限りそれほどスピードが生まれません。私のように完璧なタイミングを知らず、毎日セイリングしないセイラーは、クアッドに乗ると上手になったように感じます。いくつか良い感じのカービングターンができるのです。波の上でスピードを保ち、セイルのことは気にしなくても良いのです。波に乗っているとき、シングルフィンではセイルの位置がとても重要です。これに多くのウェイバーは気づいていません。クアッドでもセイルの位置は重要ですが、シングルフィンのようにシビアではありません。私のように年輩のウェイバーやウェイブビギナーには、ライディングを簡単にしてくれるのです」
 そして最後に、クレイグは声を大にして、こう言う。
◎クレイグ「このようにしっかりと開発プログラムに基づき、度重なるテストを行い、われわれはクアッドを改良していきました。ウインドには、もはや新しいものはないという人がいます。そんなとき突然ツインフィンが登場し、多くの評論家がマーケティング戦略だろうと批判しました。そして今度はクアッドが登場し、同じように批判は多くなっています。でもファナティックには開発のためにお金をもらっているライダーがいます。彼らは現在市場に出ているものより悪いものを開発したりしません。市場がいかに薄利多売になろうとも、悪い製品は売れないのです。私たちがクアッドをテストし、開発に取り組んだことには訳があります。ファナティックではすぐにクアッドを登場させませんでした。自分たちが欲しいものを出したい、それはツインザーでも同じ想いです。ファナティックは最も遅いタイミングでクアッドを発表しましたが、このボードには多くのテストが必要だからです。そしてとても成功した自信作になりました。昨年のツインザーは売り切れました。批評する人は心を開いて私たちがなぜ新しいものを作ったのか理解してもらいたいです。他にアイディアがなかった訳ではないのです。このプロジェクトには、多くの経験を積んだ人々がいろいろなシーンで真剣に関わっています。ファナティックは完成度100%の製品を出すため時間をかけ過ぎたかもしれませんが、発表されれば、それが単なるマーケティング戦略ではなく、しっかりとテストされた優れた製品であることを理解していただけるでしょう。
 私は一般の方々もウェイブセイリングでのクアッドのコンセプトに対して、心を開いて欲しいと思います。お待たせした甲斐がある内容となっていますから。

 


   コントロール性の高さは360やゴイターなどのニュースクール系のムーブの成功率も格段に高めてくれる

 

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(株)サーフトレーディング

 

クアッドはこの写真のようにボードがグリップしにくい波のプレイクポイントやスープでもグリップを失わず、コントロール可能


FANATIC QUAD TE
価格未定