200名を超えるフォワードルーパーを誕生させた野口貴史によるフォワードループレッスン
※ 2005年制作のため、野口プロの所属ブランドが現在と異なっているのでご了承ください。(現在スターボード/ガストラ)
回転を成功させる7つのツボ
まずはじめに、フォワードループのメカニズムと、どんな意識で行うのかを述べてみよう。 フォワードループをマスターする上での最大の障害は、決して技術的なことではなく、やっぱり“恐い”“恐そう”というメンタルなところにある。それは、プレーニングできるようになった人がジャイブにチャレンジする割合と比べると、上級者がフォワードループに挑戦する比率が少ないことを見ても明らかだ。 恐怖心を芽生えさせないために、レッスンではビーチから出たら、いきなりループをさせるようにしている。もう走り始めたら、30mでも50mでもいいから、そこにある波でいきなりトライする。沖の方まで長く走らせると、躊躇する気持ちがどんどん出てくるものだからだ。そういう時間を与えないで、とにかく失敗してもいいからすぐにやるのだ。 まずはジャンプするにも、ジャンプした後にセイルを引き込むにも必要なことが、手幅を広げることだ。このループに限らず、普通にベアするにしろ、ジャイブに入るにしろ、セイルパワーを強める動作に入るときは、基本的に手幅を広げる動作を伴う。手幅を広げることによって、セイルの引き込みが楽にしっかりと行えるようになるのだ。 セイルを引き込むといっても、そんなに大げさにセイル手を引くことはない。実際はセイル手を軽く引くと同時にマスト手を少し出して、セイルパワーを増やす。先程述べたようにセイルを引き込むとは、セイルの仰角を閉じることだから、マスト手を風下側に出すことでも同じ結果となるからだ。かえってマスト手をあまり突き出すとオーバーパワーになることも多く、また増加したパワーによってマスト手が持っていかれるので、引き込み動作をした瞬間に、マスト手はロックするぐらいの意識でいた方がいいだろう。こうすることによって、適正な引き込みが維持され、適度なパワー増が持続し、スムーズな回転につながっていく。 セイル操作ばかりに気を取られていると、急激な回転に体がついていかずに、スムーズな回転の妨げになってしまう。それを避けるために視線の先行は必需だ。これもジャイブと似ている。回転していく先を見るわけだが、フォワードの場合、縦に振れた回転(斜め回転)をするわけだから、視線の先行も当然をそれに合わせたものでないといけない。つまり、ちょうど腋の下から後ろを覗くような方向が視線となる。フォワードでは“飛んだら後ろを振り向け”とよく言われるが、正確には単に後ろを向くのではなく、腋の下から覗くようなイメージが大切なのだ。この視線のリードが、回転をさらにスムーズにさせる。 回転後半で大切なことが、下半身の使い方である。ここを怠るとなかなか背中での着水を抜け出せず、きっちりとしたランディングにつながっていかないので最後まで気を抜かないようにしよう。 |
野口貴史のフォワードループレッスン |