「上り」が上手くなってくると、グッと行動範囲が広がると共に、なんとなく誰かと競ってみたくもなるもの。
競争はスピードを楽しみのひとつとするウインドサーフィンの姿だし、そこに向かうのはごく自然なこと。
そうなると本番のレースに出てみるようということになるワケだが、
何の知識も経験もなく参加してみても、簡単には結果はついてこない。
出てみたらあまりにもひどい成績だったとなれば、レースが嫌いになりかねない。
そんなことではつまらないから、基本の練習方法と最低限のレースの知識を勉強していこう。
3~5 人程度での練習が効果的 TACK-1のイラストはとてもベーシックな練習方法を表したもの。「上り」を練習するための基本と言っていいだろう。 |
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ゲートスタートというスタート方法 横一線に並んでスタートするだけでなく、是非取り入れてもらいたいのが「ゲートスタート」。 |
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同時タック後のミートがポイント 異なるタックで上ってゆき、ある程度のところで同時にタックしていく練習方法がある。これは、それぞれの技量を見定めることになると同時に、非常に大切なこと、「風を見る目」を養っていくことにもなる。このトレーニングは2人で行うのがいい。それもできるだけ同等の技量の方がトレーニングになる。複数の人数がいると焦点がぼやけて、明確な答えが出ずらくなってしまうからだ。 風をしっかり見ながら上ること もしも、僅かであっても片方の技量が上だった場合は風の有利不利に関わらずに先行しているかも知れない。2度目のミート(D)でもaがリードしていたら、風の差だけではなく、技量の差があると考えてもいいだろう。その際には、再度スタートから始める時に、スタボーとポートを交代してみる。それでも更に先行されてしまう場合は、その距離の差が開くのか縮むのかを注意しておこう。 |
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「ソーセージ」が基本的なコース
アップウインドのレースによく採用されるのは、俗に「ソーセージ」と呼ばれるコース。単純に風上と風下の往復で競われるで、正式には「風上-風下コース」と言う。イラスト左がそのベースとなるコースで、スタートとフィニッシュが分かれており、上りコースでフィニッシュする形となっている。大会毎にコースのアレンジは自由であり、最も身近なのはイラスト右のコースになる。スタートラインのアウターマークと風下マークが兼用となり、フィニッシュはアビームや下りのレグとなる。もうひとつよく使われるコースが右下のイラストのコース図。「スクエア」と呼ばれることも多いが、正式には「トラペゾイド・コース」と言う。上りと下りに加えて、アビームやクォーターのレグが入る。このコースにも多くの変形があり、レイアウトは様々と言っていいかもしれない。余談ではあるが、下にスラロームの代表的なコースも示しておいた。いずれのコースもどこかで経験することになる可能性が高いので、このようなコースをイメージして練習しておくことが大切だ。
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覚えにくくても覚えるしかない レースではフラッグを使用した信号を発することによって様々な指示を選手達に与える。離れていて音声が届かなくても、掲揚されたフラッグを見れば、その通告を理解することができる。しかし、海上で使われるフラッグの種類やそれぞれが持つ意味を全て把握することは簡単ではないので、ここでは使われる頻度の高いものを取り上げていこう。 ■レースでよく使われるフラッグ |
■単独で掲揚される場合の主な意味 Z旗 *1 ■組み合わせで掲揚される場合の主な意味 回答旗+H旗 *1 「レースの延期」+「陸上に戻れ」という信号。 クラス旗 左 |